(1)第三者評価委員会の意義
第三者評価委員会は、民間側出資団体が行政側出資団体に提案して設置されたもので、行政側出資団体によって実施される「水道事業者として適切に業務を実施しているか」の監査や、民間側出資団体によって実施される「企業として透明性、法令遵守、経営管理が行われているか」の監査とは、別の視点での評価を行います。このため、評価の方法や体系についても、社長をはじめとして職員の考えをヒアリングして素案とし、さらに委員会による審議を通じて作り上げていく点に特徴があります。(2)評価目的と活動
【評価目的】
水みらい広島は、これまで行政側出資団体が公共の事業として培ってきた水道サービスの品質や信頼を受け継ぐことができる事業者であり、同時に、民間事業者ならではの特性を活用して良質な水道サービスの提供のため常に業務の改善や効率化をしていける事業者たることが求められる。
このために、水道サービスの提供者として自ら取り組むべきことを考え、実行し、発信することで、最終的な顧客である住民の信頼を獲得するべく自ら進化し続けていく必要がある。
第三者評価委員会は、最終的な顧客である住民のニーズに即した水みらい広島の活動を促すとともに、その活動を第三者の目で評価し、改善策を提言するほか、第三者の立場でこれを広く発信していくことを目的とする。
この評価目的を達成するため、水みらい広島の職員によるワークショップ(WS)を実施し、水みらい広島が達成すべき姿について社長を含む職員参加により描き出しました。さらにこれを第三者評価委員会において評価項目の構築、評価結果の整理としてとりまとめています。
評価時には、前回評価の結果を踏まえ、半年間どのように活動したか、改善活動の推進状況を分析していきます。この活動を繰り返すことで、水みらい広島が成長していく過程を記録していきます。さらにこれを外部に公開していくことで、地域に根ざした水道事業者としての信頼を獲得していくことを目指します。
図2-1水みらいの達成すべき姿
図2-2第三者評価委員会による評価の位置づけ
(3)評価項目について
①評価項目とは
現在の評価項目は表3-1のとおりであり、8つの評価項目と31の評価する視点で構成されており、以下のような考え方をもとに設定されています。
顧客の信頼を得るためには、水道の供給が確実に行われること=『水道の品質』、そのためにどのような活動を行っているのか深く理解してもらうこと=『発信』が必要です。また、『水道の品質』を維持するために適切な水道事業の運営=平時:『維持運営』、危機時:『リスクマネジメント』を行います。また、『発信』を適切に実施するためには、地元との緊密な『連携』が重要であり、さらに、『連携』の主体となるのは『人材』です。経営資源の配分やレベルアップを適切に行うための活動は『経営』となります。
また、平成28年度第2回第三者評価委員会において、前述の評価に加え、水みらい広島の設立趣旨に係わる基本的項目を最初に評価すべきとの意見が出され、新たな評価項目として加わりました。
なお、評価項目が定義されている評価マニュアルは、原則として年2回開催される第三者評価委員会の開催時に改訂すべき点について審議し、評価項目及び評価する視点についても、同様に定期的に審議・改訂を行い、適切に見直しを図るものとしています。
表3-1現在の評価項目と具体的に評価する視点[PDF:808KB]
②評価項目の設定経緯とモニタリングする価値
現在用いている評価項目は、事務局により提示した評価基準原案を第三者評価委員会で審議した結果と水みらい広島でのワークショップ(WS)において自らの目指す姿を抽出した結果の2種類の結果を融合させて設定したものが基本となっています。
事務局による評価基準原案では、評価項目は主活動・支援活動を合わせて12項目提案していましたが、委員会での原案審議により一旦4項目に集約されました。
また、WSにおいては、水みらい広島が実現すべき最も重要な価値は顧客の信頼を得ることであると繰り返し指摘されていたことを踏まえ、まずはこれを中央に置き、その他の出された意見の構造化を図ったところ、水みらい広島に求められているものは、7項目の重要なキーワードに集約されたので、これを評価項目としました。
これらの項目を集約した結果、7項目の評価項目で評価を開始し、その後の第三者評価委員会において追加された基本的項目と合わせた8項目の評価項目が現在では採用されています。
図3-1評価項目の設定フロー
図3-2ワークショップ(WS)により抽出された項目の構造
また、これらの評価項目は、水道法に謳われている水道サービスの価値(「清浄」「豊富」「低廉」)、新水道ビジョンにおいて将来の水道の理想像を示すキーワード(「安全」「強靱」「持続」)、新水道ビジョンにおいて水道の理想像の具現化のための方策の主要な推進要素(「挑戦」「連携」)も踏まえて設定しており、これらとの関係性は表3-2のとおりです。
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